自律神経と栄養


季節の変わり目や雨の日の前日など、何となく気持ちが落ち込んでしまうことや体調がすぐれないということはありませんか?

もしかしたら、その体調不良の原因は自律神経の乱れかもしれません。


朝晩の気温の変動や、冷暖房による屋内外の温度差で、体温調節がコントロール出来なくなったり、消化機能が低下する、気持ちの浮き沈みが大きいなど、日常生活や人間関係に支障をきたしてしまう事も少なくありません。


今回は「全ての健康の根本になっている」と言っても過言ではないこの「自律神経」を整える栄養素についてご紹介します。



1)自律神経とは

自律神経は、血圧や脈拍・呼吸・血流や体温の調整などの身体の様々な機能を「自動的に」調整している神経系になり、意識的にコントロールできません。


自律神経には交感神経と副交感神経があり、どちらか一方が高すぎたり低すぎたりすると身体に不調が出ます。交感神経と副交感神経が適度に高い状態のバランスを保っていることが理想的です。


また、自律神経は加齢によって急速に衰えることが分かっています。自律神経のパワーは40代では10代の半分程度、60代では1/4以下に落ちると言われています。


そのようなことから歳を重ねるほど夏バテや疲れにつながりやすいといえます。若い頃と同じような生活を続けていると、自律神経は確実に疲弊してしまうので、日頃から自律神経に優しい生活を意識しましょう。


■交感神経


交感神経は日中に優位になり血圧や脈拍を上げ、筋肉を緊張させ、胃腸の動きを抑えて体を活動状態にします。また、緊張したり興奮状態にあるときにも交感神経が優位になります。


ストレスが過多な生活が続くと交感神経が優位な状態が続いて白血球の中の顆粒球が必要以上に増え、体の中の大切な細胞まで壊してしまいうと言われています。それにより免疫の働きが悪くなり、体の免疫力は下がります。つまり、交感神経が優位なときは、体の免疫力は下がります。


■副交感神経


副交感神経は、日没から夜にかけて優位になり、血圧や脈拍を下げ、筋肉を緩め、体を休ませる代わりに胃腸の動きを高め、食物の消化を促し免疫力を高めます。

副交感神経が優位なときは、体の免疫力は上がります。

しかし、副交感神経が優位な状態が長く続くと、白血球のなかのリンパ球が過剰に分泌されてしまい、免疫の過剰反応により「花粉症」などのアレルギー症状が過多に出やすくなります。


つまり、アレルギー症状がひどい際は「副交感神経が優位な状態」が続いていることが考えられます。

「最近花粉症の症状がひどい」という方は、単純にアレルギーの原因物質をなるべく排除するだけではなく、運動などで適度な刺激を加えながら交感神経を優位に働かせて副交感神経とのバランスを保つことが大切です。


2)自律神経と朝の食行動

朝は睡眠中に優位になっていた副交感神経と交感神経のスイッチが入れ替わるタイミングです。

起床後にいきなり運動などの活動をすると自律神経への負担が大きいので、目覚めたらベッドで少しずつ身体を動かし、カーテンを開けて日の光を浴び、朝食をとりましょう。


朝食をとると自律神経が目覚めます。運動をする場合は朝食後がおすすめです。


また、自律神経に過度な負担をかけるのが脱水症状です。睡眠中は脱水に陥りやすいので朝起きたら1杯の水を飲むといいでしょう。


生活リズムが乱れると、自律神経も乱れやすくなるため、決まった時間に朝食を食べてリズムを作ることも大切です。

自律神経を乱さない為には平日と休日でも2時間以上はずらさないようにしましょう。


また、食事中は交感神経が優位になりますが、消化吸収を助けるのは副交感神経なので、食事中に上がる交感神経とのバランスを保つためなるべくゆっくり食べて副交感神経を高めることで、消化にも良いです。


3)食事で気を付けること

食材は、単品で摂取するよりも複数組み合わせることで、互いの持つ栄養素の効果をより高められる場合があります。


〇〇に良い食材、〇〇はNG、などと極端な情報が多いですが、基本的に食べ物は体に良い食材・悪い食材という2択で単純に分けられません。

人間が十人十色であるのと同様、食べ物も「良い部分」「悪い部分」を併せ持っています。


体をつくる「タンパク質」に関しても、タンパク質の代謝をより高めるためには、ビタミンやミネラルなど、補酵素として働くものや良質な脂質を一緒に摂ることが大切です。


無理のない範囲で、野菜や果物、海藻などをタンパク質と抱き合わせて食べるように意識するといいですね。

以下では、基本的な栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラル)以外の自律神経に関与する栄養素などをご紹介します。


■GABA(ギャバ)


ギャバはアミノ酸の一種で、脳の様々な機能を調整する神経伝達物質として働きます。

脳の血管や神経をリラックスさせて血流を促したり、脳細胞への酸素供給量を増やしたりする働きをします。

ギャバを多く含む食材は、野菜(トマト・ケール・アスパラガスなど)や果物(メロン・ブドウ・バナナなど)、発芽玄米、乳酸菌発酵製品(納豆・漬物・ヨーグルトなど)などがあります。


■トリプトファン


トリプトファンは、幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」を脳内で作り出すために欠かせない材料です。

セロトニンは気持ちをリラックスさせる効果があり、自律神経のバランスを整えるうえで大切な役割を果たしています。

このセロトニンの生成に不可欠であるトリプトファンは体内で生成することができないため、食事から摂取しなければなりません。

トリプトファンが多く含まれる食材は、バナナ、豆腐や味噌などの大豆製品、チーズや牛乳などの乳製品、雑穀、肉、魚などがあります。


■腸内環境も大事


腸は「第二の脳」と言われることもあるほど脳に次いで多くの神経細胞が集まっている器官です。

便秘や下痢などが解消されて腸内環境がよくなると、副交感神経の働きがよくなり自律神経が整うということも近年の研究でわかっています。

腸内環境を整えるためには「善玉菌」という体に良い影響を及ぼす菌の割合を腸内で高く保つことが大切です。

善玉菌を増やすためには、発酵食品などの善玉菌を多く含む食品と、食物繊維やオリゴ糖などの善玉菌のエサとなる食品を同時にとることが効果的です。